看護師の仕事に内在する矛盾

他人の命を救うための矛盾

看護師の職場は人の命を救うという使命感でやりがいのある仕事ですが、他人の命を救うために自分の中の新たな命を失う危険のある矛盾した仕事でもあります。本来であれば、看護師の仕事で新たに芽生えた命を失うなどという矛盾はあってはならないことなのですが、現実にはそういった事例があるのも事実です。

他人の命を救うための矛盾

事例:無事に出産できたのは奇跡

Aさんは新人看護師として、300床規模の公立病院にて勤務をスタートしました。配属は外科病棟で恒常的に残業が発生しましたが、時間外労働について申請できる雰囲気ではなかったため、ほとんどがサービス残業でした。また、夜勤が月に8~10回もあり、結構大変な職場でした。その後、結婚をして、しばらく共働きを続けていましたが、直属の上長が人事異動で交代し、残業がますます増えてきたので、この環境では将来子どもを産むことはできない、と考え、同規模の民間病院へ転職をしました。
今度は整形外科病棟に配属され、職場環境もよく、残業が減った上に収入がアップするという具合に待遇が改善されました。念願の子どもも授かり、喜んだのもつかの間、折からの不景気で夫がリストラをされてしまいました。妊娠をしたら、産休を取ろうと思っていたけれど、夫の就職が決まるまでは、休まずに働かないと収入がなくなってしまうという危機に直面しました。周りは、妊婦のAさんを気遣ってはくれますが、やはり看護師の人数がタイトなため、夜勤等減ることはありませんでした。
本来ならば、法律上は妊産婦の場合、申請をすれば、夜勤の免除や業務の軽減が認められるのですが、現場の事情をよく知るが故にAさんはそのまま勤務を続け、無事出産をしたのでした。先輩や同僚が妊娠したときは、切迫流産や切迫早産を経験していただけに、Aさんの出産は奇跡と言われたのでした。

看護師が安心して出産するために

上記のAさんのケースは、多忙な職場環境を一度変えたにも係わらず、妊娠後に夫のリストラで、看護師の勤務を休むことができなくなり、勤務を続けて、それでも無事に出産できたという例ですが、妊娠後も勤務する看護師には出産前に切迫流産や切迫早産などのトラブルがよく起こっています。看護師本人が、夜勤免除や業務軽減の申請を当然の権利として行うべきなのですが、申請しづらい環境であるのも事実です。ですから、ここは母性保護の観点から、病院側が妊娠中の看護師を積極的に保護する体制を取っていかなければ、看護師の妊娠時のトラブルはなくなりませんし、看護師の退職を減らしていくことができないのです。

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サイトについて私は手術室勤務の看護師です。病棟勤務の看護師とは別な意味で緊張感もあれば、残業もあって、疲れのたまる仕事をしています。でも、世間では手術室勤務の看護師は一般的ではないので、イメージしづらいかもしれません。本当は手術室看護師を目指してくれる人材を発掘するようなサイトを作りたかったのですが、それ以前に看護師全体が抱える人材不足やその結果としての慢性疲労の問題があるので、このサイトではそちらに焦点を絞っています。

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