看護師不足を解消する方策のひとつとして、潜在看護師の現場復帰についてご紹介しましたが、別な方策として、政府が進める外国からの介護士と看護師の受け入れという政策があります。これは2008年から始まった政府間の経済連携協定に基づくもので、その年にインドネシアからの受け入れが始まり、翌年にはフィリピンが追加され、現在はベトナムからの受け入れも行っています。
そもそも政府が外国から介護士と看護師の受け入れを始めたのは、高齢化社会の進行により10年後には介護職員が大幅に不足すると試算したからです。現在の介護職員の数は149万人(2012年度、推計)ですが、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年度には介護職員は249万人が必要と見込まれているのです。10年で100万人増やすためには新卒の採用や他業界からの転職だけでは到底まかなえません。そこで外国人労働者の活用ということで2008年度から介護福祉士候補生をインドネシアやフィリピンから累計で1100人余り受け入れてましたが、国単位で年間上限300人という数には達していません。この人数が増えない背景としては、経済連携協定によって受け入れた人材は、決められた年限で介護福祉士や看護師の国家試験に合格しないと日本で働き続けることができないためで、非常にハードルが高くなっているからです。
そもそも政府の政策は、外国人を介護士や看護師として受け入れるために、それぞれ国家試験に合格できるように、日本語の勉強や日本の介護現場、看護現場で研修することの支援のために金銭的援助を行ってきましたが、日本の国家試験が難しいため、規定の年限で合格できず、日本語が堪能になるだけでの帰国というケースが大半でした。また、国家試験に合格した優秀な人でも、受け入れしてくれる施設が限られていて職場の選択が自由にできないことや、仕事が過酷なために自国では優秀な人材として優遇されるので帰国してしまうというケースがありました。
政府は国内の介護・看護の人材不足を認識して、外国に門戸を広げたことは決して間違いではないですが、その受け入れ体制が十分にできていないために定着せずに今日に至っています。今後は受け入れ対象としていた東南アジアの国々でも医療現場の進歩と拡大から自国内でも就業場所が増えてきており、さらに日本以外の国々でも海外からの人材の受け入れに積極的になっているため、人材獲得競争は激化する一方で、その中で日本が選ばれるための優位性が求められています。
どんな仕事でもストレスは貯まるものですが、看護師の場合は人の命が係わっているだけにその度合いは他の職業よりも高いかもしれません。でもストレスを貯めたまま仕事を続けることは百害あって一利なしです。ここでは私が知っている一般的なストレスの発散法をご紹介いたします。
看護師仲間でも「疲れた」「休みたい」というのが口癖だったりしますが、実に4人に3人は慢性疲労だという調査結果を見つけました。ほとんどの看護師が疲労感を抱えたまま仕事を続け、その先には「辞めたい」という気持ちを押し込んでいるのだと、改めて気づかされました。
看護師の給料が高いというのは一般的によく言われることですが、仕事の実情と見比べると決して高いと言えないのも事実です。その看護師の給与と手当の実態、構造について説明して、本当に看護師の給与は高いのか?それとも仕事に見合わず安いものなのかを検証していきます。
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私は手術室勤務の看護師です。病棟勤務の看護師とは別な意味で緊張感もあれば、残業もあって、疲れのたまる仕事をしています。でも、世間では手術室勤務の看護師は一般的ではないので、イメージしづらいかもしれません。本当は手術室看護師を目指してくれる人材を発掘するようなサイトを作りたかったのですが、それ以前に看護師全体が抱える人材不足やその結果としての慢性疲労の問題があるので、このサイトではそちらに焦点を絞っています。
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