看護師の給料は一般的に高いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか?結論からいうと、同年代の他の職種の平均年収よりは高い水準ですが、仕事の内容を勘案すると、仕事相応か、仕事に対しては安いと感じられる状況です。
看護師の給料は世間一般では高いと言われています。2011年の厚生労働省の年代別の年収推移の調査では看護師の平均年収は20代前半では393万円から始まり最高額が50~54歳の549万円となっています。これは同年代の女性労働者の平均年収と比べて、どの年代でも100万円程度多い金額となっています。これだけを見ると、看護師の給料は高いと言って間違いはないです。しかし、実際に働いている看護師としては、仕事の内容を考えるとけっして高いとは言えません。病棟看護師の場合は、緊急入院や患者の急変により残業が発生することがあり、その残業手当がもらえなかったり、夜勤が多くて身体に負担がかかったりしてますし、手術室看護師の場合も緊急オペが入ることもあり、それがサービス残業に繋がることもあるのです。
看護師の給料は一般より高いけど、実情に伴っていないというのが問題ですが、給料そのものの構造にも問題があります。看護師の給料は、全体の中で基本給が占める割合が低く、諸手当の占める割合が高いのです。諸手当の例としては、住宅手当、通勤手当、超過勤務手当、家族手当、役職手当、精勤手当、皆勤手当といった一般的なものから、看護師特有のものとして、資格手当、呼出手当、高速手当、交代勤務手当、夜勤手当、深夜勤務割増手当、休日勤務手当などの名称の手当があります。
これらの手当は病院によって違いがある手当なので、すべての病院で支給されるものではありません。ただし、深夜勤務や休日勤務などの手当は法で定められている手当(賃金)なので、共通のものです。基本給の占める割合が低いということは、病院側のさじ加減で手当を付けたり、減らしたりできるということでもあり、昇給が率で決められている場合は、昇給額の増え方が緩やかになるということでもあります。
上記まで看護師の給料が仕事の実情にあっているのか、いないのかということに焦点を当ててきましたが、いくら給料が高くても、仕事に見合っていない、あるいは給料以上の仕事量なのであれば、別な問題になります。結局、仕事量が多いということは、看護師の心身への負担が大きいということで、それは看護師の慢性疲労に繋がり、医療現場における事故のリスクを高めることでもあります。その根本原因は看護師不足が原因ということはすでにご紹介したとおりです。看護師の給料が高いに越したことはないのですが、病院側は看護師の職場環境の改善にも注力してほしいのです。
どんな仕事でもストレスは貯まるものですが、看護師の場合は人の命が係わっているだけにその度合いは他の職業よりも高いかもしれません。でもストレスを貯めたまま仕事を続けることは百害あって一利なしです。ここでは私が知っている一般的なストレスの発散法をご紹介いたします。
看護師仲間でも「疲れた」「休みたい」というのが口癖だったりしますが、実に4人に3人は慢性疲労だという調査結果を見つけました。ほとんどの看護師が疲労感を抱えたまま仕事を続け、その先には「辞めたい」という気持ちを押し込んでいるのだと、改めて気づかされました。
看護師の給料が高いというのは一般的によく言われることですが、仕事の実情と見比べると決して高いと言えないのも事実です。その看護師の給与と手当の実態、構造について説明して、本当に看護師の給与は高いのか?それとも仕事に見合わず安いものなのかを検証していきます。
サイトについて
私は手術室勤務の看護師です。病棟勤務の看護師とは別な意味で緊張感もあれば、残業もあって、疲れのたまる仕事をしています。でも、世間では手術室勤務の看護師は一般的ではないので、イメージしづらいかもしれません。本当は手術室看護師を目指してくれる人材を発掘するようなサイトを作りたかったのですが、それ以前に看護師全体が抱える人材不足やその結果としての慢性疲労の問題があるので、このサイトではそちらに焦点を絞っています。
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