現在、日本で仕事をする看護師の7割強、つまり4人に3人が慢性疲労を抱えて働いています。これは日本医療労働組合連合会が2013年に行った「看護職員の労働実態調査」から読み取ることのできる内容です。「16時間以上も仮眠なしで働いて、日々疲れる」「夜勤で休憩が取れない」などという看護師の声が上がっているうえに、看護師の7割強が疲れが翌日にも残っていると言っています。
「看護職員の労働実態調査」は、日本医療労働組合連合会が2013年9~11月にかけて全国の看護職員約6万人を対象に実施したもので、約3万件超の回答を2014年2月に公表しています。看護師の仕事量については、1年前と比べて「大幅に増えた」あるいは「若干増えた」という人が併せて6割を占めている。しかも、年齢や勤続年数が増すほど仕事量が増えているのです。これは職場に経験の少ない若い看護師が増えている、あるいはベテランの看護師が減っているために、残っているベテラン看護師の負担が増えているのかもしれません。
また、看護師に自分自身の健康について、自覚症状を質問したところ、「全身がだるい」という人が5割超、「腰痛がある」という人が5割弱、「なんとなくイライラする」と「憂鬱な気分」という人が3割にもなっています。その上、「いつも眠い」という人が4割弱もいて、勤務環境が悪い、あるいは勤務時間が増えていることによる慢性的な疲労から抜け出せない状況が見て取れます。
さらに、看護師に「仕事を辞めたいと思うか」という質問に対し、「いつも思う」が2割弱、「時々思う」が5割強、併せて7割強という驚くべき回答が来ています。辞めたい理由の回答では、「人手不足で仕事がきつい」というものが4割強、「賃金が安い」が3割強、「思うように休暇が取れない」「夜勤がつらい」というのが3割となっています。「賃金が安い」というのも、仕事の実情に対してだと推測され、これらの回答から過酷な長時間勤務が限界に来ている様子が読み取れます。この状況は現在の全国の病院と看護師に共通なもので、早く人手不足を解消して、現場の労働環境を改善していかない限り、看護師の退職者を止めることができず、職場環境がますます悪化するという悪循環に陥っていく危険があります。さらにこのことは、医療事故を引き起こすリスクを高めていることも忘れてはいけません。
どんな仕事でもストレスは貯まるものですが、看護師の場合は人の命が係わっているだけにその度合いは他の職業よりも高いかもしれません。でもストレスを貯めたまま仕事を続けることは百害あって一利なしです。ここでは私が知っている一般的なストレスの発散法をご紹介いたします。
看護師仲間でも「疲れた」「休みたい」というのが口癖だったりしますが、実に4人に3人は慢性疲労だという調査結果を見つけました。ほとんどの看護師が疲労感を抱えたまま仕事を続け、その先には「辞めたい」という気持ちを押し込んでいるのだと、改めて気づかされました。
看護師の給料が高いというのは一般的によく言われることですが、仕事の実情と見比べると決して高いと言えないのも事実です。その看護師の給与と手当の実態、構造について説明して、本当に看護師の給与は高いのか?それとも仕事に見合わず安いものなのかを検証していきます。
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私は手術室勤務の看護師です。病棟勤務の看護師とは別な意味で緊張感もあれば、残業もあって、疲れのたまる仕事をしています。でも、世間では手術室勤務の看護師は一般的ではないので、イメージしづらいかもしれません。本当は手術室看護師を目指してくれる人材を発掘するようなサイトを作りたかったのですが、それ以前に看護師全体が抱える人材不足やその結果としての慢性疲労の問題があるので、このサイトではそちらに焦点を絞っています。
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